鹿児島県は、最北端の出水市獅子島から奄美群島の与論島まで南北約600kmの地域で、県内では「鹿児島黒牛」というブランド和牛が自然豊かな土地や海からの潮風が吹く温暖な気候風土で育てられています。
また、鹿児島県は日本一の和牛産地でもあります。
生産者の方達が、長い年月をかけて品種改良を重ねたり、牛に与える餌の配合に試行錯誤をして肥育された牛が鹿児島黒牛です。
黒毛和牛は、黒毛和種・褐色和種・日本短角種・無角和種など4つを総称した呼び名があり、鹿児島県では和牛の95%が黒毛和種の品種が育成されています。
今回は、鹿児島黒牛の定義とは何なのかや特徴・味についてと、和牛五輪大会の日本一で評判が凄いことなどについてご紹介していきます。
鹿児島黒牛の定義とは?
鹿児島黒牛の定義とは、1961年に「鹿児島黒牛黒豚銘柄販売促進協議会」が結成されて『鹿児島黒牛』が誕生している歴史があります。
そして、実際に商標登録されたのが1997年で、それから現在まで全国に流通していっています。
食肉用のブランド和牛は、ストレスが溜まりにくい環境で美味しい餌を与えて育てるということが大切です。
かつ厳しい審査基準や肉質等級ランクの上位の黒毛和牛しか、立派な鹿児島黒牛と名乗ることはできません。
ですので、鹿児島県内で育てられている全ての牛がブランド和牛になることはありません。
また、鹿児島県南部離島は、暖かい気候のおかげで餌や飼育方法でストレスが溜まりにくい環境で子牛が育つ傾向が多いです。
そのため、最近では離島から子牛を購入して育てる本土の農家もいるほどです。
日本は島国ですから、日本列島の総面積は諸外国と比べるとかなり狭いですが、生産者側はそこをネガティブに捉えず絶え間ない努力と工夫を重ねて良質なブランド和牛を誕生させているんですね。
鹿児島黒牛の特徴について!
鹿児島黒牛の特徴としては、肉質等級ランク5等級の出荷率が全体の4割を超えています。
サシ(霜降り)が適度に入った牛肉と、赤身肉のバランスが絶妙に入っているので、食感も柔らかくて味も美味しく最高級のブランド和牛と言っても過言ではないでしょう。
また、5年に一度開催されている「全国和牛能力共進会」の第11回大会では「農林水産大臣賞」を受賞し、団体総合優勝をしていて日本一のブランド和牛に輝きました。
これにより、鹿児島黒牛の美味しさや肉質の良さが全国的にも有名になったわけなんですね。
そして、鹿児島黒牛の特徴としてエサとなる飼料は、「トウモロコシ・圧片大麦・麦ぬか」などの原料が使用されています。
牛に与える餌が、鹿児島黒牛に一番最適な配合ということもあり、立派な黒毛和牛に仕上げることができるわけです。
生産者側が、昔から品種改良を重ねながら、牛に与えるエサにまで気を配りストレスを溜めない環境で肥育することに成功をしたことも、鹿児島黒牛が和牛五輪で日本一の栄冠を手にした要因の一つでしょう。
鹿児島黒牛の味が最高に旨い!
鹿児島黒牛肉の、肉質はきめ細かいサシが入っていて食感もとても柔らかく霜降り肉の部分の白い脂は、不飽和脂肪酸と呼ばれるお肉が溶ける温度が低いため、一口食べた瞬間にトロけてしまうくらいです。
大自然の中で、計画的に栄養価が高いエサを食べさせてノビノビと肥育させた鹿児島黒牛ですから、しっかりとした肉の美味しさを楽しめるわけなんですね。
焼いて食べたり、しゃぶしゃぶにして食べたり様々な料理で美味しく頂くことができ、食べた方は鹿児島黒牛をすぐにファンになってしまう人もいます。
ブランド和牛は、色々な銘柄がありますがどこの産地の黒毛和牛も美味しいのでリピーターも多いです。
その中でも、鹿児島黒牛は九州ではとても評価が高いので需要がとても多いのですね。
きっと、お肉通やグルメ通の舌も唸らせること間違いないでしょう。
外国産の牛肉は、日本では安価で販売されていますがブランド和牛は高価なものが多いです。
その違いとして、日本の黒毛和牛は生産者の方達が一頭一頭愛情を込めた育て方をされており、常に品種改良や牛に与えるエサにまで気を配っていることが大きいです。
日本人はマメな性格ですから、ここまで丁寧な飼育方法は外国人の生産者は真似がしにくいというのも、ブランド和牛の価値が高い要因としてあるのではないでしょうか。
鹿児島黒牛は和牛五輪大会で日本一の実績
ブランド和牛の美味しさを全国的に広めたり、肉質の仕上がり具合などの実力を認める大会で5年に1度の頻度で「和牛五輪大会」が開催されています。
そして、鹿児島黒牛は和牛五輪大会で日本一の実績があります。
具体的には、「第11回全国和牛能力共進会」が宮城県で開催された時に、鹿児島黒牛は全9部門中4部門で1位を受賞し総合優勝を果たしています。
九州で育てられている、ブランド和牛ではなくて全国の和牛王座決定戦ですから、これに優勝するのはとても凄い快挙なんですね。
しかも、鹿児島内で出品した全ての黒毛和牛が上位6位に入賞しています。
このことから、鹿児島で肥育されている黒毛和種の品質・味の良さがとても高いことがわかります。
生産者側は、選別した黒毛和牛だけ特別に育てているというわけではなく、全頭均等に愛情を込めて手塩にかけて肥育しているからこそ、和牛五輪大会で総合優勝をすることができました。
つまり、生産者側は肥育する牛を、精査して特別にこの牛だけを丁寧に育てようというひいきをしていないことがわかります。
一頭一頭を、まんべんなくストレスなく育てあげることは大変ですが、それをやってのける鹿児島内の生産者の方々のレベルはとても高いと言えますね。
鹿児島黒牛の評判が凄い!
鹿児島黒牛は、和牛五輪大会で日本一に輝いた時に当時の内閣総理大臣である安倍首相に報告が入っていると言われています。
そして、安倍首相が鹿児島黒牛肉の試食をして改めてブランド和牛としての価値が高まり評判が高くなったというエピソードがあります。
安倍首相が食べた感想は、「鹿児島黒牛肉は一口食べると肉汁が口の中に広がってジューシで美味しかった」というコメントを頂いています。
鹿児島黒牛は、世界にも通用する美味しさだともお褒めの言葉を頂いたことで、国内だけではなく世界へ向けて輸出に力を入れていくそうです。
和牛五輪大会で日本一という、確かな実績があるので世界的にも鹿児島黒牛の美味しさは広まっていくでしょう。
2017年の宮城大会の時は、全国から513頭の黒毛和種が集められており、鹿児島県からも30頭が出場しているので、いかに和牛五輪大会で優勝するのは難しいことがわかるのではないでしょうか。
今後も、品種改良を重ねたりエサの配合を試行錯誤していき、さらなる品質・味の向上を目指しているので鹿児島黒牛肉の美味しさに注目ですね。
鹿児島黒牛のまとめ
鹿児島黒牛は、最北端の出水市獅子島~奄美群島の与論島まで南北約600kmの地域で生産されている黒毛和種です。
1961年に「鹿児島黒牛黒豚銘柄販売促進協議会」が発足して鹿児島黒牛』が誕生していて、1997年に商標登録されています。
また、「第11回全国和牛能力共進会」が宮城県で開催された時に総合優勝をしていて、安倍首相も食べたことがあり、牛肉の味・肉質の良さの評判がとても良いです。
現在は、国内だけではなく海外の流通も力を入れている段階ですから、将来は日本を代表するブランド和牛として鹿児島黒牛が外国人から多くの支持を受けるかもしれませんね。