牛肉の食中毒菌は、夏場に多く健康被害を及ぼす印象がありますが一年中、気をつけなければいけません。
ですから、しっかりとお肉を加熱処理しないと病原菌・ウイルスによって様々な体調不良に襲われてしまいます。
そして、寄生虫は冷凍保存させる事によって取り除く事ができますが、食中毒菌は冷やしても取り除く事ができないのです。
体調不良の症状によっては、寄生虫よりも怖い存在になりえますよね。
今回は、牛肉の食中毒菌の種類や基礎知識情報を、牛肉マスター(おっさんが)ご紹介していきます。
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牛肉の食中毒菌の種類
牛肉に付着する食中毒菌は実に様々なものがあります。
人間の体内に侵入しても、体調不良の症状が比較的軽いものもありますが、最悪の場合命を脅かす菌もいますから油断はできませんよね。
そして、風邪を引いて身体の免疫力が低下していたり、栄養不足状態の時などは食中毒に侵されるリスクも高まるので注意しないといけません。
サルモネラ属菌
サルモネラ属菌は、牛の腸内にいる事が多い食中毒菌です。
身体に表れる症状としては、激しい腹痛を引き起こす恐れがあります。
潜伏期間は6~72時間です。
サルモネラ属菌に侵されないようにするには、75℃以上の温度で1分以上火を通す事が大切です。
カンピロバクター属菌
カンピロバクター属菌は、牛の腸内に生息している食中毒菌です。
身体に表れる症状としては、発熱を引き起こす恐れがあります。
潜伏期間は1日~7日です。
カンピロバクター属菌に侵されないようにする為には、65℃以上の温度で数分間以上を加熱処理する事が大事です。
セレウス菌
セレウス菌は、土壌などに生息していて牛が餌を食べた時などに侵入して牛肉に潜む食中毒菌です。
身体に表れる症状としては、激しい吐き気・おう吐・腹痛・下痢などを引き起こす恐れがあります。
潜伏期間は、嘔吐型では30分~6時間で、下痢型では8~16時間です。
セレウス菌に侵されないようにするには、90℃以上の熱で焼き上げたり、調理後は8℃以下又は55℃以上で保存して保管期間を可能な限り短くする事が大切です。
腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌は、O-157とも呼ばれ牛の体内に潜む事がある食中毒菌です。
身体に現れる症状としては、激しい腹痛・下痢・発熱・おう吐やベロどく素という強力なドクが大、腸の血管壁を傷つけて赤い大便が出る恐れがあります。
潜伏期間は数日間です。
腸管出血性大腸菌に侵されないようにする為には、牛肉は75℃以上で1分間以上火を通す事が大切です。
リステリア・モノサイトゲネス
リステリア・モノサイトゲネスは、牛の体内に潜む事がある食中毒菌です。
身体に表れる症状としては、健康な大人ではたくさんのリステリア菌を摂取しなければ害はないですが、悪寒・発熱・筋肉痛を引き起こしたりする恐れがあります。
また、髄膜炎・中枢神経系症状・敗血症などのリステリア症を引き起こす事もあります。
潜伏期間は、3週間くらいです。
リステリア・モノサイトゲネスによる食中毒を防ぐ為には、75℃以上の温度で1分以上火を通す事が大切です。
牛肉の菌によって食中毒を引き起こす原因
牛肉の菌によって食中毒を、引き起こす原因は【ウイルス・細菌・自然ドク】など様々な病原菌があります。
腸管出血性大腸菌は、例年、5月~9月にかけての夏場に多く発生します。
食中毒菌は、高温多湿を好んでいて、梅雨の時期から残暑の頃にかけて活発化する為なんですね。
また、外気温が低く空気が乾燥する冬の季節は、細菌による食中毒は減少しますがノロウイルスなど、ウイルスによる食中毒が発生しやすいのです。
ですから、牛肉の菌によって食中毒を引き起こす原因は季節や気温も関係します。
色々な種類の食中毒菌が一年中、繁殖していますから油断できる時期はないと言えるでしょう。
また、牛肉を生の状態で調理した調理器具にも、食中毒菌や寄生虫が付着している事も多いので気をつけなければいけません。
なので、生肉用の調理器具と他の食品に使う調理器具は使い分けるようにした方が安全です。
どうしても、使い分けが厳しい時は生ビーフの調理後に、沸騰させたお湯や演奏系漂白剤を使用して調理器具を消毒して食中毒菌を死滅させた方が良いでしょう。
そして、牛肉の生食いなども食中毒を起こす原因となりますので、お肉を生の状態で食べる事はおすすめしません。
牛肉の食中毒菌が死滅する加熱時間や温度は?
牛肉は、生レバーなど部位によっては生食いが禁止されています。
それは、生のお肉が一番食中毒菌や寄生虫などが付着している状態ですから、しっかりと火を通さないといけません。
ビーフ料理を安全に食べるには、やはり加熱処理をして食中毒菌を死滅させなければいけないのです。
食中毒を引き起こす菌やウイルスは熱に弱い為、十分に火を通してあげる事で取り除く事が可能なんですね。
牛肉の食中毒菌が死滅する、加熱時間・温度の目安は【75℃以上/1分間以上】が必要になります。
お肉の表面だけやくレアの焼き方よりも、しっかりと中まで火を通してあげたほうが食中毒菌に侵されるリスクは低くなるでしょう。
牛肉を表面だけ焼くレアの焼き方は食中毒菌は大丈夫?
牛の体質や肥育環境により、ビーフの中には食中毒菌や寄生虫などはほとんど存在しないと言われています。
ですが、牛肉を食べて食中毒になる人は例年、必ずいますからどの牛肉の中にも食中毒菌や寄生虫がいないというわけではありませんよね。
また、直接素出てお肉を触ったり調理器具から菌や寄生虫が付着してしまうケースもあります。
なので、安全に牛肉を食べるには最終手段として、しっかり牛肉を焼き上げるという事が必要になってきます。
確かに、菌は牛肉の表面に付着する事が多いので、牛肉を表面だけ焼くレアの焼き方でもある程度の食中毒菌を死滅させる事ができます。
ですが、それでは万が一、ビーフの中に菌や寄生虫が潜んでいると、そのお肉を食べる事で体調不良になってしまう事もありますので、できれば生焼け状態では食べないほうが安心ではありますね。
牛肉を冷蔵・冷凍保存すると食中毒菌は死滅する?
牛肉を冷蔵・冷凍保存する事で寄生虫は死滅させる事ができますが、実は、食中毒菌は種類によっては死滅させる事ができないのです。
菌の増殖を防ぐだけで、完全には取り除く事ができないので、ビーフを解凍すると凄まじいスピードで増殖する事になります。
寄生虫に比べて、食中毒菌がとてもやっかいなものだとご理解頂けたのではないでしょうか。
できるだけ、菌の増殖を防ぐ為には牛肉は【冷蔵庫10℃以下・冷凍庫-15℃以下】で保管するようにしましょう。
牛肉の食中毒菌の対処方法
できるだけ、牛肉の食中毒菌から身を守るには焼肉屋や飲食店などで食事をする時は、生食いをしない方が良いですね。
食中毒予防の3原則である菌を【増やさない・つけない・やっつける】を意識する事が大切になってきます。
牛肉を買う時は、賞味期限に注意したり自宅に帰ったら牛肉をすぐに、冷凍庫に保管する事も食中毒菌を増やさないようにする対処方法です。
また、ビーフは中心部分の温度が75℃以上で1分間以上を加熱処理をしたり、調理器具も常に清潔にしておく必要があります。
牛肉の食中毒菌のまとめ
いかがでしたでしょうか。
牛肉の食中毒菌に侵されるリスクは、一年中ありますのでいつでも油断してはいけません。
お肉は75℃以上で1分間以上火を通すことで、菌や寄生虫を取り除く事ができるので、しっかりと焼き上げる事が大切です。